◆自由律俳句に「エロ」を追加した理由
――自由律俳句を始めたのは芸人になるよりもかなり前のことだったのですね。
加賀:本当だ。お笑いよりも早いですね、そういえば。
――その自由律俳句になぜ「エロ」を追加したのでしょう。
加賀:これ、白武さんも僕も悩んだところなんですけど。
正直なところ、自由律俳句の先輩たちにかぶらないようにするっていうのが一番にあったんですよね。
――ネタかぶり防止ということですか。
加賀:はい。エロって僕たちが影響を受けてきた人たちがまだ触れていない部分だと思ったんです。
自由律俳句って、定義がないからこそ「明らかにうまいよね」って思わせることが逆に難しいんですよね。
そんな中で読者の方に「自分も自由律俳句を詠んでみたい」と思わせるにはどうしたらいいかと考えた時に……。
――「エロ」が最適ではないか、と。
加賀:この本に書かれた句は「エロ自由律俳句」と言わなければ、そんなにはエロの匂いがしないものも多いんです。
でも「エロ」と公言することで、頭の中に浮かんでいる絵を共有しやすくできるのではないかと。読者に対して自由律俳句の読み方を誘導している感覚ですね。
ポップでなおかつ未開という意味で付けた「エロ」です。