◆自由律俳句との出会いは17歳、ピース又吉が…

鼻を食べる時間インタビュー
――加賀さんの自由律俳句との出会いを聞かせてもらえますか?

加賀翔さん(以下、加賀):出会いは17歳くらいです。僕は当時からお笑いが好きだったのですが、「キングオブコント」でピースのコントを見て、あまりの面白さに衝撃を受けたんです。

 そのピースの又吉(直樹)さんが自由律俳句の本を出版するとテレビ番組で紹介されていて、句を何本か読んで「なんでこんなことをわざわざ一行で書いたんだろう」と、再び衝撃を受けました。

 人に言うまでもない内容なのに、魅力を感じたんです。

――まるで又吉さんに導かれるかのように、自由律俳句にたどり着いたわけですね。

加賀:それからは又吉さんの本だけじゃなく、きむらけんじさんや他の作家さんの句集も探して読み漁りました。

 自由律俳句は当時の自分がメモしたり書き溜めていたものに近かったのもあったんです。なんとなく「わかってくれそう」というか。

 僕は学校では面白い方ではなくて、ツッコんだりボケたりで人と思いを共有することが難しい人間でした。

 でも、自由律俳句なら僕も面白いことを表現できるかもと思ったんですね。