◆誰もが服から拒否されないように

「日本の洋服は、平均的なバストサイズに合わせて作られたものがほとんどで、グラマーな女性が着ると胸まわりが窮屈(きゅうくつ)で動きにくいし、暮らしづらい。私がオリジナルブランドを起ち上げるときに決めていたのは、女性の体型の多様性に対応したものづくりです。

伸びる生地と許容感のある作り、胸から二の腕にかけてピチピチにならない余裕を持たせ、腰まわりのお肉を目立たせず下着のラインも浮かせないよう、たっぷりのシャーリングを入れています」

元鈴木さんインタビュー202402
※画像はイメージです (以下、同)
暮らしのなかに不便があるだけではない、と元鈴木さんは指摘する。服を買いたいと思ったときに、「自分のために用意されたものがない」と気づくのはとてもネガティブで、社会から拒絶されているように感じる体験だ。

「服から『お前は客じゃない!』といわれているようですよね。女性には、服から認められる、承認される体験を重ねてほしいんです」