◆はじめは医師に悩みを打ち明けるのが怖かった

医師
――初めて心療内科を受診したときの感想を教えてください。

はなゆい:当時は「病院に入るところを人に見られてないか」と心配したり、病院の扉の前に立ったときは「いったんやめて帰ろうか」と思うほどドキドキしていました。でも、受診した帰り道は、スキップしたくなるくらい、心の重りがとれたような気持ちになっていました。

――最初の受診で、かなり気持ちがラクになったんですね。医師との相性が良かったのでしょうか?

はなゆい:他の先生を知らないので何とも言えないのですが、私を診てくれた先生は優しそうというよりはキビキビとしたタイプで、自分とは正反対の印象でした。

最初は自分の悩みを話すことに抵抗がありました。ネットで調べて、私の困りごとはADHDと関係があるのではないかと思っていましたが、「お医者さんに言ったら鼻で笑われるんじゃないか」と心配でした。

でも、相談したいことをメモに書いて持って行っていたので、思い切って先生の前でそれを読み上げてみました。そうしたら、「ADHDのあるあるだねぇ……あるある」とずっと言ってもらえて(笑)。だんだん気がラクになって、メモしていないこともいろいろと話せるようになりました。ダメかもと思っても、話してみることが大事なんだなと思いました。結果的には、先生との相性が良かったのかもしれません。

<取材・文/都田ミツコ>

【都田ミツコ】

ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。