◆彰子の存在がキーに。
今となっては当時、誰が誰を想い、誰と誰が肌を重ねたか、ということは分からない。
しかし、誰が入内し、母親は誰で、誰が天皇になったのか、ということは分かる。当時は当時で、「あり得ない!」と言われるような関係が進行中である。
定子(高畑充希)と一条天皇(塩野瑛久)だ。出家したはずの定子のもとに通う一条天皇。そしてやがて皇子を産んだ定子。当時のこととしてはあり得ないことなのだが、一条天皇は大喜びだ。これが世を乱す原因となっているとも知らず。
そんな世を正すために、安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)の助言を受けて、娘の彰子を入内させた道長。
しかし、一条天皇は彰子を受け入れない。「彰子のように幼い姫に自分のような年寄りがすまない」「楽しく暮らしてくれれば朕も嬉しい」と言う。でもこれは妻としては見ないということを現している。彰子自身が本当に幼いからというのもあるだろうけれど、定子への思いは揺るがない、という意志の現れかもしれない。
ただ、彰子のほうは少し表情が動いた気がするけれど、どうなのだろう。彰子の初恋が一条天皇になったのだとしたら、切ないけれど、それは素敵だな、と思ってしまう。
そして、この彰子の存在は今後の物語において大きなものとなっていくはずだ。
<文/ふくだりょうこ>
【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ