◆道長の子をまひろが生んだことについて

NHK『光る君へ』第27回
勝手に、道長の子か宣孝の子か分からない形でうやむやにされるのかと思っていたが、作中では道長の子だと決定づけられた。

紫式部と藤原道長が幼いころからの関係で、初恋の相手であり、恋仲であった、というのは『光る君へ』のオリジナル設定だ。想い合っていても結ばれることはないふたりの関係は間違いなくときめくものがある。

NHK『光る君へ』第27回
しかし、今になってみると、まひろが道長と夫婦にならなかったのはベストなのだろうな、と思う。道長ほどの人になると、結婚は政治で、生まれる子も政治には欠かせない存在となる。事実、娘の彰子(見上愛)は入内した。まひろの身分が低いので子どもが生まれても問題ないのだろうか。

何より、平安時代でも不義密通はよしとされることではない。一夫多妻制なのでうっかりしてしまうが。

さらに、紫式部が書いた「源氏物語」は「不義密通」がキーワードのひとつである。きっと、当時の人たちはこれを全くの創作として読んでいる。なんとなくのモデルはあったとしても、事実とは無関係の物語だから楽しめるというところもあると思う。

……と、歴史において考えると「この設定はいかがなものか?」となるかもしれない。だが、『光る君へ』もまた歴史上の人物をモデルとした創作であると考えると、また見方は変わってきそうだ。