◆大河の風俗考証担当も関わり平安王朝風の雅な世界観の「大河アニメ」

『烏は主を選ばない』© 阿部智里/文藝春秋/NHK・NEP・ぴえろ
『烏は主を選ばない』© 阿部智里/文藝春秋/NHK・NEP・ぴえろ
『烏は主を選ばない』の皇后・大紫の御前(おおむらさきのおまえ)は実子の長束を金烏にしようと目論(もくろ)み、その暗躍ぶりも詮子に重なるところだが、そうした物語における類似性とは別に、『光る君へ』とはもっと具体的な共通項も存在する。

『光る君へ』で風俗考証を担当している歴史学者の佐多芳彦氏が本作でも風俗考証を務めているのだ。2021年の『青天を衝け』で書道指導を担当した書家・金敷駸房も関わっており、こうした大河ドラマのスタッフが平安王朝風の雅な世界観の映像化を説得力あるものにしている。

『烏は主を選ばない』© 阿部智里/文藝春秋/NHK・NEP・ぴえろ
『烏は主を選ばない』© 阿部智里/文藝春秋/NHK・NEP・ぴえろ
 また、7月6日に放送された第1部の総集編では、『光る君へ』でナレーションを務める伊東敏恵アナウンサーが語りを担当。NHK側も存分に「大河アニメ」に力を入れていることがうかがえる。