スマホ決済の先駆け:Origami(オリガミ)

(写真=筆者撮影)

日本での、スマートフォン決済サービスの先がけが「Origami」(オリガミ)です。

「2012年、Eコマースから始まった会社です。でもEコマースそのものというより、資金の移動をインターネット上でできるようにするためにシステムを構築し、2016年にOrigami Payのサービスを始めました」(Origami マーケティング部 ディレクター 古見 幸生さん)

その後、中国のアリペイなどとも提携し、アリペイのユーザーがOrigami Payの加盟店で支払いができるといった業務提携も行っています。

2018年には一部の銀行と提携し、利用金額を銀行口座からリアルタイムで引き落とせるサービスも展開しています。

現在、飲食やタクシー、商業施設など、加盟店は約2万店です。「使えるお店が多くないとインフラにはならないので、ここは力を入れています」(古見さん)

今取り組んでいることは、サービスをクローズせず、Origami Payをオープン化する試みです。今年1月には、セゾンカード、UCカード会員向けのスマートフォンアプリ上で、Origami Payが利用できるサービスを開始しました。Origami Payをダウンロードしなくても、他社のアプリでスマートフォン決済が可能になった初めての事例でした。

店舗側の負担を解消:Anywhere(エニウェア)

(写真=筆者撮影)

お会計の時、クレジットカードや電子マネーなど、レジのまわりにさまざまな支払い方法に対応するための端末が置いてあり「店員さん、大変そう」と思った経験はありませんか?

リンク・プロセシングの「Anywhere(エニウェア)」はそんな店舗側の負担を軽減するために開発された、クレジットカード、デビッドカード、ポイントなどの処理が、1台の端末で決済できるサービスです。

新しい決済手段がどんどん生み出されるなか、導入する側の視点に立ったサービスも重要ですよね。

こうしたサービスを手がけている立場から、キャッシュレス化の普及について、リンク・プロセシング 取締役の高橋 徹弥さんはこう語っていました。

「いろいろなサービスが出てくる中で、オペレーションを複雑にしたくない。スタッフさんが覚えなければならないところをできるだけシンプルに、究極的には操作画面がワンボタンで済むような世界を作れば、加盟店側の障壁も下がっていくと思います」

キャッシュレスが「当たり前」になる日はもうすぐ?

(写真=筆者撮影)

私たちは、いつの間にかスマートフォンを肌身離さず持つことが当たり前になり、駅の改札では特に意識せず交通系ICカードを出します。しかし振り返れば、これらが登場したのは、それほど昔のことではありません。

便利なものはすぐ「当たり前」となっていくので、キャッシュレスが進み、現金を見ることが「珍しい」となる日も、遠い未来ではないような気がします。

こんなにもたくさんのキャッシュレスのサービスがあり、元気なベンチャー企業がユニークなサービスを次々と出している今は、業界の最も面白い時期かもしれません。

規格を統一しようという話も出ている今、各社のサービスがどんなふうにまとまっていくのかも含めて、しばらく目が離せないですね。(Fintech協会キャッシュレス勉強会リポート、おわり)

文・阿部祐子/DAILY ANDS

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