◆ドラァグクイーンは女性のテンプレを蔓延させる?

体毛を生やすスタイルを貫いている
体毛を生やすスタイルを貫いている
――ラビアナさんは体毛を生やしたスタイルが印象的です。ある種、冗談まじりに性教育を発信しているようにも捉えることができ、そのギャップが魅力的だと感じたのですが、そのようなスタイルに至った経緯を知りたいです。

小3くらいから体毛が生え始め、毛深いことにコンプレックスを持っていました。最初は足の毛を剃ったり、まつ毛を切ったりしていたのですが、剃る行為って自分を痛めつけるというか、荒れるし痒いし痛いんです。

最初は毛を剃ってドラァグをしていたのですが、剃らなきゃいけないというプレッシャーがどこから来ているのか考えた時、ドラァグクイーンは「社会がつくり上げた女性性を表現するアート」だと思い始めました。

そこから体毛を生やしていても美しいことを証明したいという思いが強くなり、それから今のスタイルを実践しています。私のスタイルを見た人が「違和感」を抱き、女性らしさについて考えるきっかけになればいいなと。

――ドラァグクイーンは一般的に「女性性を誇張した存在」とも言われ、中には女性らしさのテンプレを助長させているという意見も存在します。それに関しては、どのように捉えていますか?

私も女性を馬鹿にしているんじゃないかという意見は言われたことがあるのですが、ドラァグは女性らしさのテンプレを助長するというより、女性らしさをみんなで見直すきっかけになると考えています。

例えば、男性を「女々しい」と表現すると悪口に聞こえるじゃないですか。ですが、女々しいことがなぜダメなのか、ネガティブに聞こえるのか、むしろパワフルなことではないのか。と考えることができます。