◆問題を可視化させるために「対話」から始める

ラビアナさん
――どのような思いでパフォーマンスしていますか?

私が発信している性教育やフェミニズムは普段あまり話されないじゃないですか。それについて話すと周りからは「意識高い人」だと思われ、それが嫌だという意見も耳にします。

なので、私はどんな形でも良いから「対話しよう」というスタンスです。対話することで問題が表面化し、制度や社会構造が変わっていくと信じているので。

――対話でいうと、特にSNSではアンチのコメントも多く、なかなか難しいように感じます。

フェミニズムやLGBTQ+という言葉の認知は上がってきているものの、それが何を意味しているのかまでは浸透していない印象があります。なので、言葉を知らない人たちは「なんか盛り上がっている人たちがいるな」といった認識を持ってしまうと感じていて。

特にSNS上でアンチが多いのは、極端な例が突出しているからだと思うんですね。過激なアンチ派に対抗し過激な人たちが出てくると、それに反抗しようとさらに反対派が激化するため、対立構造が生まれている印象があります。

――発信する際に気をつけていることはありますか?

やはり勉強はし続けなければなりません。世界と日本の性教育における現状や、現在話されていることなどについては日頃から調べるようにしています。性教育は性交渉について教えるのではなく、自分と相手を大切にすることから始まるものです。なので、それを噛み砕いて、わかりやすく発信することは意識しています。

――性教育というと、堅苦しいイメージを持つ人もいるかもしれないですよね。ラビアナさんのように“ポップに”問題提起することで、多くの人に知るための入り口が開かれているように感じます。

メイクが好きな人やドラァグのパフォーマンスを見たい人、音楽を聴きにクラブに行く人など、もともと性教育に興味関心がなくてもいいのです。1人でも「こういうのがあるんだ」と性教育について知ってもらえたら嬉しく思います。