さまざまな事情もあってビッグネームを揃えることができなかった日本代表。パリ五輪本戦は大丈夫なのだろうか。

「ベストメンバーではないのは間違いない。しかもグループステージで対戦する3つの国は、南米予選を1位で通過したパラグアイ、3月の親善試合で日本に勝っているマリ、昨年のU-20のワールドカップで世界3位になっているイスラエルと、いずれも強敵。下手したら“3戦全敗”もありうる状況です。楽観視できる要素はゼロです」

 厳しい戦いになるのが間違いなさそうな一方で、欧州リーグの各チームがパリ五輪に注目しているのも事実だ。ここで活躍できれば海外挑戦への道が拓けるという意味で、選手にとっては重要な舞台となる。実際に、東京オリンピック後には三笘薫が川崎フロンターレからブライトン(イングランド)に移籍。また、横浜F・マリノス所属だった前田大然、川崎フロンターレ所属だった旗手怜央は、東京五輪後の冬にセルティック(スコットランド)に移籍している。

 さらには久保建英、堂安律(フライブルク)、冨安健洋(アーセナル)など、東京五輪出場時点ですでに欧州リーグに所属していた選手が、大会後にさらなる活躍を見せるようになったケースも多く、東京五輪がステップアップの場となっているのは間違いない。

 では、今回のパリ五輪日本代表の中で、今後世界で活躍するポテンシャルを秘めているのは、どの選手なのだろうか。

 特に注目されているのが、イングランド2部のブリストル・シティへの期限付き移籍が決まったFC町田ゼルビアのFW平河悠だ。主に左のサイドアタッカーとして、切れ味鋭いドリブルが持ち味。日本代表では同じポジションに、三笘や中村敬斗(スタッド・ランス)といった優れた選手がすでにいるが、彼らを脅かす存在となりそうだ。