第1回の放送時には新鮮に映った濱田への「見えてるイジリ」だが、この番組ではもうすっかり当たり前になっており、テロップすら入らない。

 こうして、視聴者も慣れていくのだ。バラエティの中に、盲目の芸人が溶け込んでいくのだ。濱田自身が長く望んできて、叶えられないできた番組が実現しているのではないか。

「気を遣う」より「楽しい」が勝っていく。『ブラリモウドク』はABCテレビの『ちょいバラ』という企画内の一枠で、次回の4回目が最終回となる。そして視聴者投票によって、継続か否かが判断されることになる。

 芸人にとって、自分にしかできない笑いを作れるのは何よりの幸福であるはずだ。だが、そんな濱田の思いとは関係なく、シンプルにただ面白いこの番組が続くことを願う。

(文=新越谷ノリヲ)