「これ以上、私を傷つけたら、私はあなたたちを許さない。あなたたちを殺す──」
強い気持ちをもって、自分を守れ。そのメッセージが実感としてひめ香に伝わった瞬間でした。「幸せを勝ち取ることは不幸に耐えることよりずっと勇気がいるの」と、『下妻物語』(04)で桃子が言ってたね。「被害者になるなら、せめて加害者でありたい」と千原ジュニアが何かのライブのビデオのオープニングで言ってたよ。スゴいシーンは、見る側の記憶を喚起するんだ。
『ビリオン×スクール』は、学園ドラマでありながらAIを扱ったライトSFでもあります。学校で起こるさまざまな問題を、加賀美の財力とよくわからないAIガジェットで解決していくというパターンで進んでいくのかもしれません。SFの醍醐味は、架空のガジェットや架空の理論が実在の人の心を打つところにあります。第1話のAIパワードスーツ、今回のAIグラス、すごくそういう役割を発揮していると感じます。
SFをどう使っていくか、というところにも注目して今後も追いかけていきたいと思います。いやー、よくできてる。スゴかった。
(文=どらまっ子AKIちゃん)