◆「慢性上咽頭炎」とはなにか
呼吸によって左右の鼻の穴から吸い込まれた空気は鼻の奥で合流して、肺に続く気管へと向かいます。鼻から入った空気が流れを変える場所が、上咽頭です。
吸い込んだ空気には、ほこりやダニ、さまざまな細菌やウイルスなど、体に有害な異物が含まれていることがあります。
私たちの体には、こうした異物から体を守るための「免疫」のしくみが備わっています。上咽頭はこれら異物との最初の接触地点であり、この場所で炎症が起こるのが「上咽頭炎」です。
もともと上咽頭は、細菌やウイルスが侵入して増殖することにより、炎症を引き起こしやすい場所です。
上咽頭に炎症が起こると、鼻水や咳、のどの痛み、つまり、風邪のような症状が現れます。
こうした急性の上咽頭炎であれば、抗生剤や消炎剤などで治療できますし、少し経てば自然に治ることが多いものです。
ところが、なんらかの理由によって、上咽頭の炎症が慢性化した状態になってしまうことがあります。これを「慢性上咽頭炎」と呼びます。