◆「(主人公の声は)僕じゃなくてもいいですよ」

――監督の忘れられない一言など、収録時の一番の思い出は何ですか?

伯山:これ、僕もひどいのですが、途中やりながら「(主人公の声は)僕じゃなくてもいいですよ」って言っちゃったんですよ(苦笑)。

神田伯山
――それはどういう意味合いで???

伯山:単純に終わらないんじゃないかなと(苦笑)。いやそれ「お前降りるのか!?」っていう話なんですけれども、本当にナチュラルに僕じゃなくていいと思ったんですよね。

ちょうどSNSの公式アカウントのキャンペーンでは短いものを公開して「荘太郎の声優は誰だ!?」という問いかけをやっていて、世の中の反響も“誰だろうこの声は?”みたいな感じだったんです。その中には、声優で大変に有名な中島ヨシキさんじゃないのかという声も。だから僕も中島さんでいいんじゃないかと言いまして(笑)。

中島さんも、主演が僕だと発表されたのちに、SNSでフォローのコメントを丁寧に投稿してくれたのですが、優しくて素敵な方だなと思いました。なのでいまだに僕は中島ヨシキさんでよかったのではと思っています(笑)。

だからむしろ監督に言われた一言より、「中島ヨシキさんのほうがいいじゃないか」という僕の一言を塚原監督が覚えていると思います(笑)。