◆そして伊周は……
そうなってくると伊周(三浦翔平)がいたからこそ『枕草子』も生まれたのでは、と思ってしまうが、だからと言って彼が許されるわけでない。
一条天皇はご立腹である。逃げられるはずもない。
が、伊周は出家したから大宰府にはいけないだの(嘘)、行きたくないとダダをこね、母の高階貴子(板谷由夏)がついていくということでようやく納得したものの、結局は引き離されてダダをこね……。
いや、この人、長男だったよな? と思ってしまうが、もしかして一番不出来な子どもだったのだろうか。そういう子どもこそかわいいともいうけれど、母がいま支えなければならなかったのは定子なのでは? とも思う。
貴子が伊周のことがかわいいからなのか、それとも、一番放っておけないのが単純に伊周だから、なのか。幸せに見えた家族もいびつさを抱えていたのかもしれない。