「達成したい目標が明確にあって、それにはお金が必要で、そのために自分のスペックを最大限に活用して、全然バカじゃないし、筋通ってるし、感情むき出しで、いいと思う」

 ここで言う「スペック」って、重い言葉だなと感じるんですね。ホストに貢ぐほど稼げるのは嬢としてのスペックがあるからで、ホス狂の行為を肯定すると同時に「だから被害者ヅラしてんなよ」ということも言っている。「戦ってるし、戦えてるだろ」と言っている。筋が通ってなくて、偽りの感情ばかりのこの街でそうやって生きている人たちを、『新宿野戦病院』は描こうとしている。そういう宣言だったと感じました。

 なんかね、いろいろあるけど、こういうメッセージって、基本楽しくないと耳に入ってこないのよね。だから、このドラマが楽しいことが救いになる。鼻歌少年のエピソード、最高に楽しかった。まあ今回は、そんな感じで。

(文=どらまっ子AKIちゃん)