◆心が疲弊したときに出会ってしまうふたり
宣孝はすっかりまひろのもとから足が遠のいてしまった。そんなまひろにいと(信川清順)はわびの文を書いてはどうかという。己を貫くばかりではなく、相手を思いやることも大事だと。そうでないと誰とも寄り添えない、と。
そんな話をしたあとに、まひろは石山寺に行くことをいとたちに提案をする。かつて、藤原兼家の妾であった藤原寧子と会った場所だ。そこで妾としての日々を聞いていた。自分の状況を鑑み、考えるところがあったのだろう。
石山寺で、まひろは熱心にお経を唱える。お経を終えて、ホッと息をついたときに人影が。――道長だ。
どうしてこのタイミングで会ってしまうのか!ほんとうにもう!
<文/ふくだりょうこ>
【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ