◆危機を救うのは自分の娘だったとしたら?
今回のサブタイトルは「いけにえの姫」。なんとも禍々しい。
まひろ(吉高由里子)と宣孝(佐々木蔵之介)が夫婦となり、仲睦まじく過ごしていたころ、都を地震と日食が襲う。
陰陽師・安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)は一条天皇(塩野瑛久)に天文密奏を届ける。これは、異常な天文気象があったときに、観測記録と占星術による解釈をしたもので、天皇しか見ることができない。
天文密奏を見た一条天皇は「朕のせいなのか……」と沈痛な面持ちを見せる。帝のお心が乱れているから、地震と日食が起こった。天皇の責任、重い……。
道長(柄本佑)は晴明に「天変地異はいつまで続くのか」と問う。一条天皇の心の乱れが収まれば、天変地異も収まる。その心の乱れとは定子(高畑充希)に寄せる思いだった。いまは昼でも定子のもとへ通い詰めていること。道長が諫めても、一条天皇が変わる様子はない。
そんな道長に晴明は「左大臣はよきものをお持ちと申しました」と切り出す。それは、道長の娘・彰子(見上愛)のことだった。彰子を入内させれば事態は好転すると言うが、道長は強い拒否感を示す。彰子はまだ子どもで、おとなしく無口な娘だ、と口調を荒げる。パッと彰子についてこういうコメントが出てくるということは、きちんと子どもたちのことも見ているんだろうな、と分かる。道長としては、彰子を入内させたくない。そんな道長が相談しに行った先は詮子(吉田羊)だった。