──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NHK「大河ドラマ」(など)に登場した人や事件をテーマに、ドラマと史実の交差点を探るべく自由勝手に考察していく! 前回はコチラ

『光る君へ』第26回のタイトルは「いけにえの姫」と物々しく、道長・倫子夫妻(柄本佑さん・黒木華さん)のおとなしすぎる長女・彰子(見上愛さん)が、ついに一条天皇(塩野瑛久さん)に入内することが決まったという内容でした。すでに出家した定子(高畑充希さん)を溺愛する一条天皇の生活態度が、政(まつりごと)に悪影響を及ぼしていると考えた安倍晴明(ユースケ・サンタマリアさん)は、道長に彰子の入内を進言しました。定子一人勝ちの現状を打破するためです。

 ドラマの彰子は家族の前でさえも愛想よく立ち振る舞うことができず、そんな娘が天皇の後宮に入内したところで、天皇の寵愛を定子から奪うことは不可能だと考えた道長は大いに迷うのですが、姉の詮子(吉田洋さん)から「お前も身を切ることが必要」などと説かれ、やはり彰子の入内に大反対の妻の倫子を説得するに至る……という話だったかと思います。