文春によれば、2006年4月9日に発生した木原誠二前官房副長官(54)の妻X子の元夫・安田種雄の不審死事件、通称「木原事件」が新たな展開を迎えたというのである。

 事件を巡っては警察庁の露木康浩長官が昨年7月13日の記者会見で「事件性は認められない」と発言した。しかし、これに真っ向から反論したのが、元警視庁捜査一課サツイチ(殺人犯捜査第一係)警部補の佐藤誠(60)だった。

 佐藤は2018年の再捜査時にX子の聴取を担当した元取調官。一連の捜査に深く関わってきた。

 その佐藤が初の著書『ホンボシ 木原事件と俺の捜査日録』(文藝春秋)を出したというのである。

 これを出した理由は三つあると佐藤が話している。第一の理由は、露木長官や、警察庁の国府田剛前捜査一課長が「自殺で矛盾しない」と発言したことにカチンときたこと。

 第二は、昨年10月に遺族が警視庁に刑事告訴状を提出したのにもかかわらず、12月には「事件性なし」として検察に送付してしまったこと。しかもそのことを遺族には伝えていなかった。

 第三は、遺族が担当検事と対面した際、遺族の母親が検事に土下座して捜査を懇願したことだという。警察がやるべきことをやってないのになぜ遺族が土下座するのか。させたのは露木長官と国府田前捜査一課長だが、こんなことは絶対許されないと思ったからだそうである。

 その本を、異動で新たに担当検事になった人物と遺族が6月17日に会った時、持参して手渡すと、固辞したが、最終的には「任意提出」ということで受け取ってくれたという。

 いよいよ、開かずの扉が開くのだろうか。