都知事選は最終盤だが、小池百合子の3選は揺るがないようだ。

 なぜ現職が強いのか、小池東京都はどうなっていくのかについて、元都知事の舛添要一がサンデー毎日で語っている。

「東京都の特殊性は金持ち自治体だということだ。大企業の本社が集まっているから、法人事業税、法人都民税という法人税ががっぽり入る。選挙用のバラマキがいくらでもできるので、現職が有利だ。むしろやるべきは、どこまでスリムにできるか。私は知事になって、東京五輪の経費を2000億円減らした。財政調整基金の貯金がなければ、不況で税収が落ちた時の対応ができない。私は9500億円の貯金を残したが、小池氏がコロナ対策で使い尽くした。緊急事態といえばそれまでだが、16兆円ある財政を、いかにスリムにするかを考えるべきだ」

「メディアの深掘りが足りない。問題の背景に何があるのか。発端は東京五輪の競技場や秩父宮ラグビー場建て替え問題だったが、その間いろいろな利権が入ってきて、高層ビル建設、樹木伐採計画になった。東京というのは、ある意味利権の巣窟だ。私は知事をやっていたから、あれはこの利権で動いたなというのが全部わかる。その利権にちょっとでも食い込んで改革しようとすると、後ろから刺されることもある」

「利権を代弁するのが都議会だ。都知事は都民から選ばれるが、議員はそれぞれの選挙区からしか選ばれていない。地元を大事にする。交通網の整備や公共施設の建設などそれぞれの言い分があり、声の大きい議員が勝つ。役人は議員とつるむ。知事は1期4年、議員は5期やれば20年間いる。知事が代わっても議会のドンがいて、そこにもちろん企業も入ってくる。議員と役人と企業の利権集合体だ。そこがもろもろを動かしているという実態を変えることができるかどうか。そこが知事に求められる」

「3期は長すぎる。よどんでくる。ゴマすり役人が増える。私から見るとちょっと都政が停滞している」

 小池3選都知事に、舛添のいうことは少しでも響くのだろうか。