◆普遍的な魅力の持ち主

 そんな清濁を神秘的にたたえた彼女が、さらにグッと話題を集めるのが、宮藤官九郎による脚本で、昭和、平成、令和を鋭く批評したドラマ『不適切にもほどがある!』である。同作で河合が演じたのが、1980年代から令和にタイムトラベルする主人公の体育教師・小川市郎(阿部サダヲ)の娘・小川純子。

 元祖スケバン映画『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』(1971年)みたいな雰囲気をストレートにまとって気概十分。不適切な暴言吐きまくりのキャラクターだが、やはり河合が演じるからには可憐さも持ち合わせる。無敵なほどに視聴者の心をくすぐる人物像だった。

 映画だけでなくテレビドラマでもここまでの存在感を発揮出来る。中森明菜風のヘアスタイルは、ネット上で「令和の山口百恵」と評された。確かに似てる。河合自身は当然令和世代だけれど、レトロな雰囲気でもある。昭和・平成・令和関係なく普遍的な魅力の持ち主なのだ。