■不親切にもほどがある

 歌舞伎町のド真ん中に小汚い医院があって、なんやかんやで歌舞伎町にやってきた日系アメリカ人の元軍医であるヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)がそこで働くことになる。

 ヨウコは国内の医師免許がないので“闇医者”として患者の命を救っていく。そこに、現在の歌舞伎町を象徴するような人たちが、それぞれのエピソードを抱えて次々に運び込まれてくる。お話としては、それだけです。

 あとは、登場人物たちのキャラクター勝負で、主人公・ヨウコのキャラクターの性格付けから、どうやら「平等ってなんだろな」みたいなテーマが浮かび上がってきそうな気配がする。本来、ドラマのテーマってそういうものだと思うんです。人物の思想や生き様を通して伝えるものであって、もともと作品にテーマがあって、それに沿って人物を動かすというのは本末転倒なんです。もう1回言うけど、『ふてほど』おもしろくなかったんだ。