観れば観るほど考えさせられてしまう今期のドラマが、『燕は戻ってこない』(NHK総合、火曜よる10時~)だ。真っ向から不妊、代理母、若い女性の困窮、性と生殖の問題に取り組んでいる。原作は、桐野夏生さんの同名小説で、原作にほぼ忠実に物語は進んできた。
ドラマの冒頭には、毎回、「現在、第三者の女性の子宮を用いる生殖医療『代理出産』について、国内の法は整備されていない。倫理的観点から、日本産科婦人科学会では本医療を認めていない」というテロップが出る。
とにかく登場人物の誰もが「エゴの塊」なのだ、客観的に見ると。ただ、誰も悪くはない。
そして誰もが必死に生きている。だからこそ観ていて苦しくなる。