◆子どもの個性を愛せるか
「まだ私もダウン症を受け入れきれずに葛藤していたころで、即答できませんでした。
今思うと、もし僕の髪が青色でもママ僕のこと好きだった?という質問は『学校に行けない僕でもママは僕のことを好きでいてくれる?』って聞きたかったんだと思います。
でも、それは怖いから、遠回しな質問をしていたんじゃないかな。
『パパとママがあなたたちを大好きなように愛したらいい。心配しなくていいよ』と、返事をしましたが、これは自分自身へ向けた言葉だったようにも思います」
エイデンくんは、算数は苦手ですが、歴史が大好き。新しい学校に行くようになり本来の明るさを取り戻し、毎日歴史にまつわる作品作りに没頭するなど、個性が輝いています。
イラストレーターでもある瑞穂さんは、このエイデンくんとのやりとりを、コピー用紙に絵と文を切り貼りしたささやかな絵本にしました。家族に見せて本棚にしまわれていたこの絵本が、出版にまで至ったと言います。ちなみに海外の人にも読んでもらえるように、英訳もつけました。翻訳をしたのは、夫のブルースさんです。家族みんなで作り上げた絵本が完成しました。