◆登下校の日々から生まれた絵本

毎朝公立小学校に一緒に登下校していた時期、なんとかして学校に着くのを遅くしたかったのか、エイデンくんが不思議な問いかけを瑞穂さんにするようになりました。

例えば、「もし、僕の髪の毛が青かったらそれでも僕のことを好き?」「もし、僕が猫だったら、それでも僕のことを好き?」など。

その度に「大好きだよ」と愛情を伝えていました。この会話が面白いなと思い記録をするようになりました。

エイデンくんが新しい学校に通い始め、一緒に路線バスに乗ろうとしたある日。ダウン症の青年がICカードを使いこなしバスに乗り込み、スマホで天気予報を調べている姿を見かけたのです。

「あのお兄さんすごいね!(ダウン症の妹)まりいちゃんもきっとなんでもきるようになるんちゃうん!?」と、テンション高くエイデンくんに話しかけると、

「いつか僕がパパになって、生まれてきた赤ちゃんがダウン症だったら、僕はどうしたらいい?」と、ぽそりと返ってきたのです。この問いかけに、瑞穂さんは言葉を失ったと言います。