◆治療をとおして「私って結構いいヤツだったんだ」と思えるように

――あらいさんは、治療を受けたことで変化はありましたか?

あらい:なんというか、落ち着いていられるようになりました。今まではいろいろなことにとにかく過敏で、すぐに不安になって、どうでも良いことで泣いたり怒ったり、忙しかったです。その上で育児や仕事をしていたので無意識に頑張り過ぎて、いつもヘトヘトでした。

でも治療を受けたことで、「生まれつきの性格なんだ」「発達障害の特性があるのかな」と思っていたことが、トラウマによる症状だと分かったことがたくさんあって。症状を治療していくことで、感情の起伏や見返りを求めてしまう癖がやはり「症状」だとわかったり、少しずつおさまっていったりして、「私って、結構いいヤツだったんだな」と思えるようになりました(笑)。

――治療を受けるまで、当事者が症状だと自覚できないこともあるんですね。

あらい:私の場合は、慢性的な鬱の症状があることも分かりました。自分では「私が鬱なんて、まさか!」と思ったのですが、投薬を受けたら回復したんです。体調や寝つきが悪いことや、いつもなぜかしんどいと確かに感じてはいましたが、「そういうものだ」と思って生きてきたので……。それらが解消されるとは夢にも思っていませんでした。「症状」と知り生きるのがめちゃくちゃラクになりましたわ。