◆「ハナ頑張ってるやん!」

ぴろよさんイラスト
――特に共感した場面はありましたか?

あらい:ハナが「解離性フラッシュバック(※)はおさまってきたけど、今度は人との関係について考え込むようになった」と話す場面で、「私もこういうことあったわ~!」と思いました。「フラッシュバックが減った」という良いところに目を向ければいいのに、なぜか当事者は悪いところに目を向けてしまいがちなんですよね。

もっと、ハナを褒めるように自分を褒めていいんです。「フラッシュバック減ってるやん! ハナ頑張ってるやん! 私も頑張ってるやん!」と(笑)。

また、治療を受けることで今まで気づいていなかった問題が出てきて、苦しくなってしまうところも共感しました。私自身、過敏になっていたことがおさまってくることによって、新たな問題が顔を出すことがありました。

何十年も抑え続けてきたものだから、ゆっくり時間をかけてほぐしていくんだよ、そうすればきっと自分を信じられるようになっていくし、生きるための力を取り戻すことができるようになるよ、同じように感じて苦しんでいる人にそう伝えたいです。

※解離性フラッシュバック…過去に受けたトラウマ体験をあたかも今その瞬間体験しているかのように感じること。トラウマ体験そのものを忘れていたとしても起こりうる