ところで、私の孫がよく見ているのがNHKの『おかあさんといっしょ』だ。長寿番組だが、そこで往年の人気者だった「体操のひろみちお兄さん」ことタレントの佐藤弘道(55)が、機内で体調を崩し、下半身まひ状態になってしまったというのである。

 体操のお兄さんといえば、頑健、敏捷で、まだ50代。その彼がなぜ?

「脊髄梗塞」というのが病名だそうだ。これは、背骨の中にある神経の束である脊髄に繋がる動脈が詰まってしまうことで虚血状態になり、脊髄組織の一部が死んでしまう症状だという。

 発症の年齢も幅広く男女差もないようだ。そして健康な人を突然襲うというのである。

 彼は、仕事で体を動かし、自宅でもダンベルを持ち上げ、日々、運動は欠かしていなかったという。

 だが、飛行機などで長い間同じ姿勢をとり続けるとエコノミー症候群になり、血栓ができ、何かの弾みで血栓が流れるはずのない動脈に“飛んで”しまった可能性もわずかにあるという。

 回復には相当な時間がかかる難病だというが、体操のお兄さんだから、「前向き」にリハビリに取り組み、また元気な姿を見せてほしいものだ。

 私も昨年秋、脊髄損傷という病名の神経の病気にかかって手術をしている。以前倒れて頭を打ったためのようだが、10月頃には家でも歩けなくなり、突然膝が折れ、したたか尻を廊下に打ち付けるようなことが何度もあった。

 手術後、2カ月近くのリハビリをやり、12月の20日に家に帰って来た。

 今も週に1回はリハビリをして、散歩は毎日欠かさないようにしている。今月の初めにはヨタヨタだが、ゴルフへ行き18ホールを回りきることができた。

 神経の病気は治りにくく、まだ手の指と足の指は、満足に曲がらない。ここで諦めてはと、歩いたり、家でスクワットをしたりと何とかやってはいるが、時々、こんなことをしていても元通りにはならないという諦めの気持ちになり、落ち込むことがある。

 リハビリの要諦は「前向きな考え方」というのは間違いない。ひろみち、一緒に頑張ろう!