◆まひろの決意
まひろは宣孝の妻となることを決意。越前巡察の旅から帰ってきた父・為時(岸谷五朗)に報告をすると、為時は仰天。その拍子に腰を痛めてしまう。それほど驚きの事実だったということだろう。当然、為時は結婚に少しばかり難色を示す。宣孝はいまだに女にマメ、というのが気になるようだ。
そんな為時にまひろは語る。
「思えば道長様とは向かい合いすぎて求め合いすぎて苦しゅうございました」
「愛おしすぎると、嫉妬もしてしまいます」
宣孝ならそれもなく、楽に暮らせる。
「誰かの妻になることを、大真面目に考えないほうが良いのではとこのごろ思うのです」
そんな娘の言葉を聞く為時の気持ちはいかに。
たしかに、以前のまひろはとても真面目に考えていた。道長に迫られたときも、だ。それはそれでとても素敵なことだけれど、ここで「ありのままのお前を受け入れる」という宣孝に自分をゆだねるのは悪いことでもなさそうだ。
<文/ふくだりょうこ>
【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ