おそらくはハルカンと直接的に関係のある「上野さんの死」というものを際立たせるために、その瞬間を迎えるまでハルカンを悲しませたくないという演出の都合かと思います。ただ一方でこのドラマはコミックから「災害死は無慈悲である」という考え方を引用してしまっているので、哲学としての矛盾が生じ始めている。

 これも、「ハルカンが仲間の災害死の悲しみを克服する」というドラマチックな演出をしようとすることで、本来ドラマが語ろうとしていた防災意識の描き方から離れていってしまっていると感じさせる部分でした。

 ともあれ、あと2回はコミックでも描かれたスーパー台風が東京にやってくるようです。このドラマにおける災害現場での人命救助シーンはいつだって大興奮ですから、純粋にスペクタクルとして手に汗を握らせてくれたらオッケーかなと思ってます。けっこう楽しみにしてますよ。

(文=どらまっ子AKIちゃん)