このドラマはハルカンを孤高のヒーローとして描くのではなく、あくまで「SDM」というチームの中で周囲に刺激を受けながら成長していくハルカンの姿を映し出してきました。
今回も、やりたいことはハルカンが過去の傷を克服してチームとして再出発するという流れだったと思いますが、ちょっとこれはチームってそういうことじゃないんだよなぁ、と思ってしまったんですね。
ハルカンの指示で春日部、大宮、川越に最新計測マシーンを持ったメンバーたちが赴くわけですが、彼らがデータを解析しながら専門用語で現状を報告してくるのです。地理オタクとか、運転手兼料理番とか、医者とか、レスキューとか、警察とか、そういう人たちが一致団結して気象データの解析に奮闘している。
それは気象庁関係者がやんなさいよって話なんです。
そもそも「SDM」をチームとして描くとき、医者は医者の仕事を、レスキューはレスキューの仕事をまっとうするからこそ戦力となるわけで、彼らの存在意義は「SDMの中でハルカンができないことをする」というところにある。だからこそ、ハルカンにも成長をもたらすことができる。それぞれの部門の統括責任者である彼らには、ほかの仕事があるはずなんです。
チーム再結集というドラマチックな演出をしようとすることで、逆にチームの性質を描くという目的から離れてしまっている。そんな感じでした。
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