ファッションの大量生産・大量消費・大量廃棄の打開策
無印良品では、その他にもジェンダーレスのファッションを提案する「MUJI Labo」や、お客様から回収した商品を新たな価値のある商品に再生させた「ReMUJI」を展開しているそうです。
──「MUJI Labo」とはどんな商品ラインですか?
小林 :MUJI Laboでは性別や年齢、体型に関係なく着用できるサイズ感や、シンプルでよけいなものがそぎ落とされたデザインの服を展開しています。例えば、奥様はゆったりめに、旦那様はジャストに着るなど家族間で服をシェアすることもできるんです。
コンパクトなクローゼットで本当に必要なものだけを数点だけ持って暮らしてはどうか、という提案をしています。
──持つ服を減らすということですね。
小林 :はい。また、丈夫なものを作りできるだけ長く着ていただけることも大切に考えています。着られなくなった服を1年ごとに捨てるのではなく、丈夫で長く着ていただける服を作ることで無駄をなくせるのではないかと考えました。
──「ReMUJI」とはどんな取り組みですか?
小林 :無印良品では2010年から「FUKU-FUKUプロジェクト(現:BRING)」という、お客様から使用済みの衣類を回収してエネルギーに変えていく取り組みに参加しているのですが、その中でまだ着ることができる服があると気づきました。
私たちはそれらの服を藍色に染め直し、新たに「ReMUJI」という商品にして販売しているんです。元の服の状態によっても染まり方は変わるので、1着ずつ異なる風合いを楽しめるようになっています。
──サスティナブルな取り組みの先に目指しているものとは?
小林 :できる限り自分たちで出したゴミをリサイクルしたいと思っています。しかし、リサイクルできているのは、全体のほんの数パーセントというのが現状です。今後はさらにリサイクルできる割合を増やすため、試行錯誤を続けていくつもりです。
サスティナブルは、特別ではなく自然にできること
「サスティナブルファッション」という言葉は、地球環境に配慮する特別な取り組みというイメージが強いかもしれません。しかし、1着の服を長く大切に着続け、着られなくなった服をリサイクルするという行動は決して特別なことではなく、日常の中で誰もが自然にできるはず。
今回、小林さんからお話を聞いたことで、まずはクローゼットを見直して、自分が持っている服と向き合い、大切に使い続けることから始めてみようと思いました。
提供・UpU
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