■アンミカvs篠原涼子

 仲の悪い大人の女と女が口ゲンカしているシーンが好きなんですよ。映画でいえば、『阿修羅のごとく』(03)の桃井かおりと大竹しのぶとか、『ぐるりのこと。』(08)の江口のりこと木村多江とか。

 今作はコメディですし、そこまでのピリピリ感はなかったけど、アンミカと篠原涼子が言い合いしているシーンは楽しかったですね。50の女同士が感情をむき出し合って衝突しているシーンに、なぜか興奮を覚えるんです。そういう性癖なのかな。

 そんな話はいいとして、今回はミステリーとして『イップス』の中で、一番おもしろかったです。

 今回はアンミカが付き合っていた男が既婚者だったことが発覚し、さらに不倫を持ちかけられたことで殺害に至るわけですが、まずは状況証拠としての“アリバイ崩し”が行われ、さらに子役の目撃証言が決定的証拠となりました。

 犯人が最初にわかっている倒叙型におけるカタルシスは、やっぱりこの決定的な証拠を突き付ける瞬間に訪れてほしいものなのです。