成田悠輔氏の「集団自決」発言、ムダを追究するとどうなる?
「〇〇がムダ」といえば、経済学者・成田悠輔氏による「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」という発言は、突き詰めれば「老人はムダな存在だ」といっているようなものだろう。当然、この発言は問題視され、海外のメディアでも取り上げられた。成田氏はキリンビールの缶チューハイ「氷結無糖」のウェブ広告に出演していたが、この発言が問題視され抗議が殺到。成田氏の広告は削除された。
少子高齢化で老人を支える若者世代の負担が大きくなっていることから、Yahoo!ニュースのコメント欄では、成田氏の発言を支持する人も少なからずいた。冷静に考えれば、若者の負担を減らすのは政治の仕事であり、老人には何の責任もないことはわかりそうなものだが、誰かをターゲットにして「あいつはムダ」と指を差さないと気が済まないくらい、この国の人々は今、すさまじい閉塞感を感じているのかもしれない。
もし「老人はムダ」という考えがまかり通るなら、世の中は大変なことになるだろう。病気や障害などの事情で働けない人は納税していないという意味でムダ、高額納税者であっても、リタイアしたらムダな存在になる。また、出産していない、もしくは出産する年齢を過ぎている女性や独身者は少子化を食い止められないという意味でムダとなる。