『マツコの知らない世界』はキー局、しかもゴールデンタイムの放送なので、老若男女が見ていると予想される。冠番組で視聴率を取るためには、すべての年齢層にまんべんなく好かれる必要があるが、若者に対しての嫌悪感をあらわにすると、彼らにそっぽを向かれる可能性がある。

 しかし、『5時に夢中!』を放送しているTOKYO MXは東京都のローカル局であり、番組終了後にTVerなどで配信されてもいない。ということは、視聴者はわざわざその時間にテレビの前に座ってチャンネルを合わせる、過激な論調を良しとする同番組のコアなファンと見ることができる。平日夕方という放送時間から考えても、視聴者は若者より年配の人が多いと思われる。

 こうした点を踏まえると、マツコの「なんだそれ!」発言は、番組視聴者にとって痛快であり、彼らを喜ばせたのではないだろうか。視聴者層を意識してコメントできるマツコは、やはり「うまい」と感じるのだ。