◆25年モラハラ夫に仕えてきて、すぐ謝る体質に
「その“ごめんなさい”は何に対してですか。女を使った営業をしたことですか、それともその下品な営業スタイルに私を巻き込んだことですか」
ほのかは怒っても論理的だ。一方、モラハラ夫に四半世紀仕えてきた郁子は、何かあればすぐ謝ってしまう体質ができあがっている。年齢差による認識の違いもあるが、それ以上に置かれてきた環境の差が瞬時にわかるやりとりにハッとさせられる。
ほのかは、郁子を追いつめていく。
「49歳で初めて社会に出るなんて、49歳で野球を始めてプロ野球選手を目指すくらい無謀なことだって気づいてますか」
これは若いほのかの偏見だとしても、こう言われた郁子はまた謝ってしまう。今度はその「ごめんなさい」にほのかがかみつく。
「すぐ謝る……。何に対してごめんなさいって言ってるのかもわからないくせに」