◆「すん止め女」が求めるものは?

しっかり者で何でも器用にこなしているように見えるが、実は彼女は常に「2位」だった女。子どもの頃から、作文コンクールでもテニスでも、ずっと2位ばかり。あげく、今は惚れた男のセカンドだ。

「誰かのいちばんになりたい」

それがほのかの切実な願いだ。

勤務先のPR会社でも、ほのかの営業成績は2位。一緒に営業について行くという郁子を、「山本さんは山本さんでひとりでやってください」と放り出し、郁子は出かける。若い女性の視点でプレゼン、見事契約にこぎつけた。これで1位は確実だ。

ホッとしたとき、郁子からSOSの電話が入る。営業先で飲み会状態になって困っているという。駆けつけるほのかの前で繰り広げられていたのは、郁子の「女の色気を使った営業」だった。ほのかは郁子の手を引いて逃げ出した。

ほのかがチェックすると、「女を使った営業はありかなしか」とハッシュタグのついた投稿がSNSに上がっている。

「ごめんなさい」

謝る郁子にほのかがかけた言葉がすごい。