◆自分に対して否定的だった母が口にした“本音”

TBSテレビ報道局の久保田智子さん
――お母さんが言っていた「わたし、褒められて育ってこなかった」は本音と言いますか、なかなか自分の親から聞ける言葉ではないなと思いました。そのことで、お母さんへの理解は深まったわけですね?

久保田:母は否定的な態度が多かったんですね。わたしが何かを一生懸命やろうと思っても、それをなぜか応援してくれない。どうしてなのかなとずっと思っていたんです。でも、母も親から褒められたことがなく、ダメだって言われて育っていた。その環境の中で、母は悪い方、悪い方を想定して、自分を守っていたんだなと思ったんですよ、話をしていて。

そう考えると、母もわたしに能力がないと思って否定していたわけではなく、わたしを守るために一生懸命やってくれていたんだなって思えたんです。それがわたしにとって良かったかどうかは置いておいて、それはそれでひとつの愛情で、母にとっての合理性だったんだなと思いました。

――お母さんなりの考えがわかって、気持ち的に救われたんですね。

久保田:わたしもよかれと思って娘に対してやっていても、娘は理解できなくて、反発を招くことはあると思うんですよね。なので、その都度なぜ私はこうしたほうがいいと感じているのか理由を話して、娘はなぜそう思わないのかも聞いていくことが、きっと大切だろうなと思います。そんなふうになんでもフラットに言い合える関係性でありたいなと思います。