Snow ManとSixTONESが出てきて爆上がりした、ジャニーズのダンスレベル
――では、Q-TAROさんご自身がアイドルを振付するときに心がけていることはなんですか?
Q-TARO とにかく、「その子たちが一番よく見えること」が大事です。踊る子たちが主役で、ダンスはあくまでもそれを引き立たせる“材料”。その子たちがその曲に合わせて歌って踊っているときに一番よく見えるというのが、クライアントの最大のオーダーだと僕は思っているんですね。
そういう意味でいうと僕は、「若いうちは振付師にはなれない」と思っているところもちょっとあるんです。振付師になる人は、当然ながら9割9分がダンサーです。ダンスをやっていなかった人が振付師になることはまずありません。そして、ダンサーであるがゆえに、「プレイヤーとしてかっこいい振り付け」を、どうしてもアイドルにもやらせたがってしまう。その結果、やらされるアイドルの側がまったくできていなかったり、振付をする側が思っていたものと全然違ってしまう……ということが往々にしてある。でも、それを強引にやらせてしまうのが、“若さ”なんですよね。若い頃は僕も、そういう失敗をよくしてきましたから(笑)。
――Q-TAROさんから見て、振付の面で印象に残っている最近のアイドルはいますか?
Q-TARO Snow ManさんとSixTONESさんが出てきたときは、「ジャニーズのダンスレベル、どんだけ上がったのよ?」とびっくりしましたね。 そのあとにTravis japanさんが出てきてまた驚きましたが、あの2グループがデビューした数年前あたりから、ジャニーズのダンスがグッとレベルアップしていたように思います。
あとは、SKY‐HIさんがプロデュースしてるBE:FIRSTさんも、レベルが高いと思います。あそこは完全にダンスと歌に特化してますよね。「これを歌って踊るの?」って、ちょっと信じられないくらいです。
女性アイドルでは、新しい学校のリーダーズさんがいいですね。あのビジュアル、あのセーラー服、あの歌、すべてが一貫したコンセプにのっとっていて、それを彼女たち自身が信じて、思い切りやり切っているところが僕はすごく好きです。なんなら、あの子たちと一緒にライブで踊りたいくらいですよ(笑)。
僕らが振付をするときって、技術的な意味での「うまさ」は、あまり追求しないんです。先ほども言いましたが、やっぱりその子たちがいちばんよく見えるってことが重要なので、何かを信じてまっすぐ進んでいるところが、アイドルの強みなのかなと思います。