メジャー、インディー、年齢、性別を問わず、日夜新たなグループが生まれ続け、ブームを超えてカルチャーとして成熟したアイドル業界。「このグループで、夢に向かって真っ直ぐに。」をスローガンに、ホストクラブ国内最大手groupdandyよりメジャーデビューを目指す5人組ボーイズグループ・ぐるちょくも、その多様性の一端を示す存在だ。彼らのプレデビューシングル『シャンペンナイト』の振り付けを担当した著名振付師、Q-TAROに、現在のアイドル業界とそのダンスの進化を聞いた。
●プロフィール
Q-TQRO(キュータロー)
振付師、ダンサー。1992年に結成した「電撃チョモランマ隊」のリーダーとして、『天才!たけしの元気が出るTV』(1985~1996年)内の「復活ダンス甲子園」など、数々のコンテストのタイトルを獲得。2001年には「JAPAN DANCE DELIGHTで優勝。主な振付作品は、ドラマ『のだめカンタービレ』内の「おなら体操」(2006年、フジテレビ系)、『連続テレビ小説 瞳』内の「まゆげネコダンス」2008年、NHK)、サカナクションのシングル「蓮の花」(2014年)、松平健の「暴れん坊将軍テーマ~松平健バージョン~」(2021年)ほか多数。
――Q-TAROさんは、パパイヤ鈴木さんなどが所属するプロダクション、プランチャイムにご所属で、3人組ダンスユニット「電撃チョモランマ隊」で長くご活躍のほか、個人でも多くの振付を担当してこられました。そもそも、そんなQ-TAROさんが振付のお仕事をするようになったきっかけはなんだったのでしょう?
Q-TARO 僕はもともとダンサーとして、電撃チョモランマ隊でずっと踊ってきました。今年で29年の歴史を誇るストリートダンスの世界大会「JAPAN DANCE DELIGHT」に、創設年の1994年から取り組んできて、8年後の2001年には、チャンピオンに輝くこともできた。けど、その目標を達成したら、なんだか抜け殻のようになってしまって……。優勝から1年間はお仕事もたくさんいただいたのですが、「僕らのやりたいことってこれなのかな?」という悩みを抱えていた頃、たまたまあるイベントで知り合ったパパイヤさんの事務所に誘われ、そこからやっと、仕事してちゃんとダンスをやっていくことを決意しました。
とはいえ、そのときはまだ、振付師になるつもりはまったくなかったんです。ただ、プレイヤーとしてチョモランマ隊を続けながらも、パパイヤさんがCMやドラマのダンスシーンの振付をするときに、そのアシスタントとして現場に入ってはいたんですよね。
そうして、多忙なパパイヤさんの代わりに現場に入っているうちに、僕にも名指しでお仕事を振っていただくことも増えてきた。ドラマ『のだめカンタービレ』(2006年、フジテレビ系)の「おなら体操」が、注目していただくきっかけになった最初の作品だと思います。そこから、NHKの子ども番組やベネッセさんの『しまじろうのわお!』(2012年~、テレビ東京系)のような児童系コンテンツの振付もやるようになり、並行してアイドルの振付などにも仕事が広がっていった、という感じですね。