絶対に腕を治して、また脳外として人を救うことを心に決めていた汐見医師でしたが、実際あんまり病院では役に立っていないことも自覚していたので、このチームに渋々参加。乗り気でないことをリーダーのハルカン(山下智久)に見抜かれて実に不機嫌です。
さらに、「SDM」医療班の統括責任者が汐見医師の病院の院長と対立関係にあることから、チームの中にも居場所がない。火災現場の避難所でも運搬係を命じられ、すっかりやる気を失ってしまいました。
その汐見医師が腕の神経をやってしまったきっかけですが、これがシビアな話だったんだ。
難しい脳腫瘍を持ち前のゴッドハンドで治してあげた女の子が、親に虐待を受けていた。その女の子が病院の屋上から汐見医師に「治してほしくなかった」とか言いながら、目の前で飛び降りたのです。
汐見医師はネグレクト被害児の命を救ったことで、その逆恨み、八つ当たりで復讐の対象とされてしまったわけです。女の子の中で、「死にたい」「なんで私が死ななきゃいけないの」「何も悪いことしてないのに」「こんなのは不公平だ」「せめて私と同じ苦しみを誰かに味わってほしい」「私が死んで誰かにダメージを与えてやる」「でも、親は私が死んでも喜ぶし」「そうだ、あの医者なら、私が目の前で死んだら苦しむはずだ」「これで公平だ」という思考回路が生まれたのでしょう。虐待ってそういうものだし、そうして飛び降りた女の子を救おうとして、汐見医師は腕の神経を損傷してしまった。
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