◆道兼の目的はなんなのか
急に為時に接近した理由。おそらく、兼家の指示によるものだろう。
倒れてから、道兼が近づいたときだけ、目を覚ましているシーンがあった。しかし「為時に近づいてなんの得が?」と思っていたのだが、彼は今、花山天皇(本郷奏多)のお気に入りである。
道兼を邪険に扱う花山天皇に対して、為時は道兼が兼家から受けていた仕打ちについて口にする。道兼の痣を見て、表情が変わり、そこから対応も変わる花山天皇。
兼家の目的は、道兼を花山天皇に取り入らせることだったのだ。
ただ、観ていて道兼に同情してしまうのは為時に話す言葉の中に真実があること。
兄や弟のように愛されていない。
嘘の中に、真実が混ざることによって、周りの人間はつい信じ込んでしまうのかもしれない。
利用されていると分かっていて、それを受け入れるのは道兼にとって嬉しいことではないはずだ。