◆心の内は私だけのもの
内裏で会うだけではなく、今度は家にまで道兼は尋ねてくる。
当然、まひろも遭遇。部屋に逃げ込む。
しかし、ひとりになると思い立ったように琵琶を手にし、道兼の前に姿を見せる。
琵琶を弾いて見せると感激する道兼。誰に琵琶を習ったのだ、と尋ねる道兼に、まひろは母だと答え、7年前に亡くなったという。理由を尋ねられ、病だと答えるまひろ。
その場に一緒にいる為時の表情が絶妙だ。
真実を言ってはならない、しかし、言いたい気持ちは分かる。母は病で亡くなったと答えたときも、ホッとしたような、複雑な表情を見せた。
道兼が帰ってから、為時はまひろに「よく耐えてくれた」と頭を下げる。
道兼のことは許せない。しかし、道兼に気持ちを振り回されるのは嫌だ、というまひろ。それは赤染衛門の「心の中は己だけのもの」と言葉によるものなのかもしれない。