■あと、おまえはどういう立場でモノを言ってるの?

 死神の付き人みたいな女性なんですが、この人も「奪う側」の一派なわけですが、これをあたかも雨ちゃんのよき理解者みたいな人物として描くのも、意味がわからない。

 前回の初登場時から、なんで普通に会話してるのよ、という違和感はありましたが、今回に至ってはいよいよ雨ちゃんを励ましたりし始めてる。涙ぐんで「人生には思い出が必要なの」とか言い出してる。いやいや、おまえたちのせいだろって。どういう気持ちで死神の横に立ってきたの、今まで。

 そう思ってたら、仕舞いには死神に対して「探します、あの子が幸せになれる道を、彼女と一緒に」とか言い出した。

 よく知りませんけど、あなたたち今回が初めてじゃないよねえ、こういうことするの。常習犯でしょう。死神とか、たぶん悠久の時を過ごしているんでしょう。初犯という設定ならそれこそ笑止ですし、常習なら今回の雨ちゃんにだけ感情移入する理由がない。

 要するに、キャラクターにドラマ以前の物語が設定されていないんです。思い付きで、そのままやっちゃってる。何度でも言うけど、そういう作り手として最低限考えなきゃいけない設定や、持たなきゃいけない覚悟というものを端から放棄してる。