◆ここにきて、友情ものに留まらない予感が

辛いシーンだったが、高校時代に紅葉が篠宮の絵を「すごいね、上手いね」と誉めたこと、黒崎を「仲良くなれると思うから」と紹介したこと、いずれも篠宮の今に繋がっているのは事実。すぐにでなくていい、「バイバイ」から、いつの日か紅葉と、篠宮、黒崎が再会できる未来が待っていてくれたら嬉しい。

そして触れられなかったが、紅葉に椿がいてくれて本当に!よかった。

さて、ゆくえと赤田(仲野太賀)、椿と純恋(臼田あさ美)、夜々と母(斉藤由貴)、紅葉と篠宮と、これまで別れを描いてきた物語とも言える本作だが、第5話でふたたび赤田が登場。さらに第6話の予告編でも赤田が登場するなど、何やら騒がしくなってきた。

さらに、これまでとても丁寧に、それぞれの個人の思いとともに、徐々に近づいていく4人と、育まれていく友情を見つめてきただけに、ほんの少し恋愛色が漂うだけで「え、マジで!」と思い切り心がザワザワしてしまうが、友情のみを描こうとするのも、無菌室に彼らを閉じ込めようとしているようなもの。ここにきて、友情ものに留まらない予感がしてきた。ならば、とことんザワザワさせてもらおう。

<文/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi