◆「孤独を感じたことはない」は、逆説的な言葉

紅葉によるモノローグ「生まれてから一度も、孤独を感じたことはなかった。周りにはたくさんの友達がいて、みんなで仲が良かった」の始まりから、違和感を覚えた。

第1話で、紅葉は「2人組に縁がなかった」と告白。「誰も好んで自分のことを選ばない。1対1で向き合ってくれる人はいない」と本音を明かしていた。そして、とても印象的だった、4人の子ども時代に始まる1話の幕開けで、紅葉は、1対1で向き合いシーソーで楽し気に遊ぶ2人を見つめ、次は僕の番だと空いたシーソーの片側に座るも、向かいにはもう誰もいないという描写がされていた。

「孤独を感じたことはない」とは、逆説的な言葉だといえる。

だからといって、裏返しとして、常に孤独を感じているというワケではない。紅葉は、孤独を恐れるあまり、端から孤独をシャットアウトしているのではないだろうか。