◆それぞれの成長を見せた誠と楓
ちなみに、みちの活躍が最終回では目立ったが、誠と楓にも変化が見られる内容だった。
誠は楓と陽一の前でみちに告白する、というかなりデリカシーに欠けた行動を披露。しかし、以前までは人の顔色ばかりを気にしていた誠が、思ったことを空気を読まずに口にしたシーンであり成長が感じられた。また、そんな誠の奇行を間近で見た楓も「カッコ良かったよ」と賛辞を送っている。
楓は攻撃的な言動が目立ってはいたが、この1年間でいろいろ経験したからなのか、角が取れたのかもしれない。新名家は個々人で前に進んでおり、吉野家との対比が浮き彫りになった。
なんにせよ、29日の特別編では第10話の終わりから最終回が始まる直前までの“空白の数か月”が描かれる。ここでみちと陽一がやり直したことに対する納得感を持たせてくれないとなると、これまで丁寧に表現されてきた登場人物の葛藤や距離感などが不意になってしまう。だが、きっとそんなことはないだろう。
最後の最後で一気にヘイトを集めてしまったみちに、どういう心境の変化があったのか。特別編も見物である。
<文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki