◆1話でも登場していた“坂道”と、タイトルの文字が意味深
雨の中、店を出た楓と誠とみち。楓と誠は左右に分かれるが、みちは走って陽一のところに戻っていく。そして店の中ですべって転びそうになったみちを支えた陽一は、「みち、好きだよ」とささやいて掃除に戻る。みちは「口が滑ったな」と笑う。
そのままエンドロールが始まり、自宅前の坂道を買い物帰りのみちと陽一がのぼっていく。じゃんけんをして負けたほうが荷物を持ったり、相手をおんぶしたり。まるで同棲している若いカップルのようだ。
この場面、第1話にもあったはずと、見返してみると、第1話では買い物帰りのふたりが坂を下って自宅に入っていくシーンがあった。ということは買い物する店を変えたのか。あるいは、最終話で上っていくのはふたりの気持ちの比喩なのか。そもそも、これが離婚後にもう一度やり直しているふたりの日常かどうかさえわからない。
さらに第1話エンドロールの最後、「あなたしかいない」という文字が出て、それが崩れて「あなたがしてくれなくても」に変わった。「あなたがしてくれなくても、あなたしかいない」、もしかしたら、それが最初から意図したテーマだったのか。
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